2021年 春季日本歯周病学会学術大会(Web開催)
投稿日:2021年7月1日
カテゴリ:院長ブログ
今年の春季日本歯周病学会学術大会も昨年と同様オンラインでのWeb開催となりました。
本大会では、「今、求められる歯周治療~研究から臨床~」をテーマに再生治療や全身疾患との関わりなど、今回も様々な内容について講演がありました。
また、今回の専門医教育講演と倫理委員会企画講演は、新しく設立された日本歯科専門医機構の共通単位として認定されました。昨年はまだ移行期間のため、今年の受講により昨年度の単位も取得できます。日本歯科専門医機構の今後の活動にも注目していきたいと思います。
特別講演には、ハーバード大学のDavid M.Kim先生が現在の歯周治療について講演されました。もう一つの特別講演では、糖尿病内科の西田先生の「令和の歯周病学は消炎消退を通して全身の健康に寄与する」でした。近年は、全身疾患と歯周病との関わりが一般にも周知されています。西田先生のご講演の副題にもあります、糖尿病と認知症との関係は特に注目されています。ですから、今回のシンポジウムや教育講演でも糖尿病と全身疾患については演題が上がっています。
パーキンソン病の演題もあり、近年でのパーキンソン病の研究として、関係する腸内細菌との関連を検討することや、唾液腺との関係についても研究が進められていることが知られております。
再生療法に関しても多くの演題がエントリーされており、シンポジウムも設けられていました。シンポジウムの内容は、やはりリグロスについてです。リグロスとは5年前に開発された、日本発・世界初の歯周組織再生誘導剤です。大阪大学の村上伸也教授のチームによる研究によって開発されました。5年間の臨床成績より歯周組織再生療法に良好な影響を与える結果が得られています。今後の課題や将来展望への取り組みによって、より安心・安全なリグロスの活用につながることを期待しております。
今回の学術大会は歯周病の基礎的な研究の講演よりも臨床的な講演内容が多かったように感じます。高齢者に対しての歯科治療や全身疾患に関係した歯周病治療について、現在の歯科衛生士の役割について、歯周組織再生療法や予防歯科についてなどと、さまざまな講演がありました。
まさに、「今、求められる歯周治療」のテーマに合った内容の学術大会でした。今回学んだ内容を是非、患者様の治療に活かして今後の臨床に応用したいと考えています。
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